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宗教はなぜあるのか?なぜ信じるのか?なぜ生まれたのか?

2020.06.25

 

 目次

  1. 宗教とは一体何か?
  2. 『わからないこと』を扱うのが宗教
  3. なぜ宗教があるのか?
  4. なぜ宗教を信じるのか?
  5. なぜ宗教が生まれたのか
  6. 宗教には二種類ある

 

宗教とは一体何か?

12000年前、ネアンデルタール人がお墓にお花を添えたというところが宗教の起源ではないかと言われています。お墓にお花を添えるということがなぜ宗教なのか、またはなぜ宗教性があると言われるのでしょうか。

それはそのネアンデルタール人の気持ちにあるのですね。お花をお墓に添えた時にはどういう心持ちでしょうか。私たちもお墓やお棺にお花を添えることがあると思いますが、そのときには「死後安らかに」とか「死後寂しくないように」とか、そういった相手の死の後ということを考えながらお花というものを供えるわけですね。そういったところに宗教というものの起源があるのではないかと言われるわけですが、それがなぜ宗教だと言われるのでしょうか。

 

 

『わからないこと』を扱うのが宗教

そもそも宗教というのは死んだのちなどの『わからないこと』を扱うもの、または『わからないこと』に答えを出していくのが宗教の役割だからなのです。

「死んだらどうなるのか?」とか、または「人生どうやったら思い通りに行くのか」とか、または「未来はどうなるのか」とか、「私は何のために生まれてきたのか」とか、「人間はなぜ生まれてきたのか」とか、「なんでこんなつらい思いをしなければならないのか」とか、『わからないこと』に答えるというのが宗教の役割で、少しややこしい言葉で言いますと不可知なこと。知ることができないことを扱うのが所謂、宗教の役割ということになります。

 

 

なぜ宗教があるのか?

つまり「なぜ宗教があるのか」と言えば、わからないことがあるからとなります。人間にはわからないことがある。死んだらどうなるか分からない。そのわからないことに答えを出そうとするので、宗教が生まれるということです。

 

 

なぜ宗教を信じるのか?

宗教を「なぜ信じるのか?」ということでありますが、これもまたわからないことだからと言えます。わかることであれば理解をするとか納得をしたとかようやくわかったよ、という言葉になりますが、宗教が扱うのは『わからないこと』ですから、『わからないこと』に対しては「信じる」という言葉がふさわしいですし、そうとしか言いようがないところがあるかと思います。ですから「なぜ信じるのか?」と言われれば、それは宗教の扱うものがそもそも人知では『わからないこと』だから信じるという言葉になるわけです。

 

宗教とは

 

なぜ宗教が生まれたのか

最後に、「なぜ宗教が生まれたのか」ということであります。これも人間には『わからないこと』があるからとも言えますが、もう少し掘り下げて申しますと、「この世が思い通りにならないから」と言えるでしょう。「死んだらどうなるかわからない」「死んだらどうなるのか知りたい」そもそもなんでこのような感情が芽生えるかと言えば、「死にたくない」「死んでほしくない」という心境があるわけです。死というものは、いずれ誰もが迎えるものだと、頭では十分理解をしているつもりのことですが、心は全くついてこないですね。

「死にたくない」「死んでほしくない」とやはり思ってしまう。頭で理解していることを、なかなか心ではそのままに受け止めることができない。まさに「死にたくない」「死んでほしくない」のに「死を迎えなければならない」という、思い通りにならない現実があるわけです。

日常にはどうしても人間関係や、病気、お金、老いなどの、思い通りにならないことが満ちています。それらを解決しようとすることは所謂宗教、「わからないこと」という分野に入ります。なので「宗教がなぜ生まれたのか」と言われれば、人生が思い通りにならないから。そして、なんとか「思い通りにならない人生」を解決するために宗教が生まれたというお答えになります。

 

 

追加でどうしてもお伝えしたいこと『宗教には二種類ある』

最後といいながら追加しますが、どうしてもお伝えしたいことがあります。それは宗教と言っても一括りにされるべきものではなく、大枠で二つの種類に分かれるということです。

一つはこうしたら思い通りになりますよという宗教。もう一方は、こうしたら思い通りに行かないことも受け入れることができますよという宗教です。思い通りに行かないということが宗教のきっかけ、原点とすれば、その問題に対してこうしたら思い通りに行きますよと答える。もう一方は、こうしたら思い通りにならない現実を受け止めることができますよと答える。この二つに分かれるということは是非知っておいていただきたいです。

なぜなら、いざ人生の中で困難にぶち当たって「なんでこんな目に遭わなければならないんだろう」と感じたときに、二つの向き合い方があるということを知っておいていただきたいからです。「なんでこんな目に遭わなければならないんだろう」「どうしたらこんな目に遭わなかったのか」というときに、解決を外に求める宗教。例えばたたりや占いなどが該当します。もう一方は、「どうしたらこの嫌だなぁという気持ちを受け止め、解決することができるのか」と解決を内に求める宗教があります。仏教、キリスト教などの世界宗教は、こちらに該当します。

大枠ではこれら二種類の宗教があるということを知っておいていただくだけで「思い通りにしたい」となったときの視野が少し開けるかと思います。その考えの中で、少しでも余裕を持って生きることができるようになればと願います。

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